【ゲスト】
日経BP社 日経ESG シニアエディター & 日経ESG経営フォーラム プロデューサー
【ゲスト】
金沢工業大学 SDGs推進センター長
【モデレーター】
農林水産省 農林水産技術会議事務局 研究推進課 産学連携室長
(国研)国際農林水産業研究センター(JIRCAS) 生産環境・畜産領域、副プロジェクトリーダー
CGIARは、開発途上地域住民の福祉向上を目的とし、食料増産や農林水産業の生産性・持続可能性の改善のため研究・開発を行う国際農業研究機関のネットワークです。今回は、CGIARの農業研究・開発の取組を紹介するとともに、近年、活発になってきた公民連携の動きについて紹介します。また、日本の民間企業が、開発途上地域で農業ビジネスの展開について検討する際に、利用可能なCGIARの機能やアプローチ手法について意見交換を実施します。
農研機構 理事
農研機構は、政府が策定した「統合イノベーション戦略」を踏まえて、農業・食品分野における「Society 5.0」の実現を目指しています。また、研究開発の推進を通してSDGsへ貢献します。本講では、農研機構の新しい組織目標や研究体制の整備の状況、今回出展している①スマート農業生産システム、②アグリバイオ産業、③食による健康創生、④環境保全・地域資源の活用という4テーマの見所を紹介します。皆さまとの出会いを通してビジネスの展開を念願しております。
農研機構 農業情報研究センター センター長
10月1日付けで、農業情報研究センターを開設しました。同センターの目的は、①最新のAI技術と農業データ連携基盤を活用し、農研機構独自の知見に立脚した徹底的なアプリケーション指向の農業AI研究を推進する、②農業データ連携基盤の長期安定運用を目指した研究並びに運営体制を構築する、③農業が抱える様々な課題解決のためICT人材を育成する、の3つです。本講では、ユニークな組織運営方針と、農業・食品分野でのSociety5.0の形態であるスマートフードチェーンの実現に向けた戦略的AI課題を説明します。
農研機構 本部 産学連携室 室長
農研機構は、本年4月から久間理事長をはじめ3名の民間出身の役員を迎え、産業界・農業界から頼りにされる研究機関を目指しております。本講では、本年10月、理事長直下に産学連携室を新設するとともに、民間企業のニーズと農研機構のシーズを橋渡しし民間企業との共同研究を推進する「ビジネスコーディネーター」を全国に配置するなど産業界との連携強化を図る体制の見直しをご説明します。このほか、知の集積と活用の場における農研機構の取組をご紹介させて頂きます。数多くの産業界の皆様のご来場をお待ちしております。
農研機構 野菜花き研究部門 野菜生産システム研究領域施設生産ユニット ユニット長
日本の施設園芸では大幅な生産効率(面積当たり・労働時間当たりの生産量)の向上が課題となっています。生産効率の向上には環境制御装置の導入と利用技術の向上が重要です(複合環境施設の導入は全体の2.2%)。これらの問題を解決するために、農研機構では生育予測・栽培支援ツールを開発しました。このツールでは環境制御や栽培管理の試算が可能です。これに基づいて実際に栽培管理を行ったところ、トマトの10a当たり年間収量は、従来品種で50t、新品種「鈴玉」で55tと、飛躍的に増加しました。
農研機構 本部 企画調整部 研究管理役
セミナーではSociety 5.0を目指した農研機構のアグリバイオ分野での取組を紹介します。高度解析センターからはNMRを利用した新たな医薬、農薬開発の加速化について、生物機能利用部門からはカイコでの新産業創生、お米を利用した花粉症対策を、次世代作物開発センターからはゲノム情報を活用したスマート育種への取組、遺伝資源の紹介、今後のビジネスに貢献する先導的品種の紹介を行います。これらの事例はブースにて専門の担当者がご希望にあった対応をしておりますのでお気軽にブースにもお立ち寄りください。
農研機構 農業環境変動研究センター 気候変動対応研究領域温暖化適応策ユニット 主席研究員
気候温暖化や農業従事者減少を背景として、気象条件や作物の生育状況を予測して管理をする技術がますます重要となっています。このような技術の開発や普及のため、農研機構は、約1km四方の領域を単位として全国を網羅し、日平均気温や日平均湿度など14種類の日別気象データを配信する従来にないシステムを運用しています。提供期間は1980年始から2019年末までで、今日から最長26日先までの期間は予報値です。利用者は、必要なデータをExcelシートやPythonスクリプトに直接取り込むことができます。
農研機構 農村工学研究部門 農地基盤工学研究領域水田整備ユニット 上級研究員
イネの生育に必要な用水を過不足なく確保するためには、水源から圃場に至るまで流量の適切な調節と上下流の連携が不可欠です。これまで数十ha規模の圃場に配水するポンプ場や圃場の給排水口の操作は、耕作者の経験に基づいて手動で調節されることが一般的です。農村工学研究部門では効率的な配水システムの実現を目的に、水管理制御システム(iDAS)と圃場水管理システムを開発しました。前者は下流の必要水量に応じたポンプ出力のきめ細かな調整を、後者はイネの生育に合わせた水位の調整を、遠隔監視または自動制御できるシステムです。
農研機構 中央農業研究センター 水田利用研究領域北陸土壌管理グループ グループ長
東日本大震災で津波浸水被害を受けた仙台平野の南部平坦部は圃場の大区画化が進むとともに耕地面積100haを超える生産組織が増加しています。こうした変化に対応すべく宮城県名取市においてプラウ耕・グレーンドリル播種体系乾田直播を核とした水稲-小麦-大豆の2年3作の実証試験を実施しました。ICT技術を駆使した乾田直播の導入により耕地面積100ha経営モデルにおいて水稲60kg当たりの費用合計を2010年東北平均の54%に削減できることが明らかになりました(復興庁・農水省委託プロ「食料生産地域再生のための先端技術展開事業(土地利用型)」(2012~2017))。
みたけ食品工業株式会社 研究開発室 主任
みたけ食品工業は「大地と人を結ぶネイチャーメディア」を企業理念に掲げ、新たな加工技術を駆使し、穀物素材の可能性を追求してきました。
本講演では、弊社が創業以来取り組んできました米粉の歴史を紐解きながら、新しい加工技術を活用した「こめゲル」「生玄米粉」、弊社が認証第1号である「ノングルテン米粉」を紹介します。
独立行政法人農林水産消費安全技術センター 規格検査部商品調査課・課長
2017年、JAS制度は大きく変わりました。
新たなJAS規格・認証は、農林水産・食品分野に携わる皆様の優れた商品やサービス、技術、取組を見える化し、実用化に向けたツールとして、また、アピールのための手段として使い易いものになりました。
本セミナーでは、こうしたJAS規格・認証の活用アイデアについて事例を含めて紹介するとともに、新たな規格を必要とする事業者、研究者の皆様からJASをご提案いただく際の手続を説明します。
農研機構東北農業研究センター 生産環境研究領域長
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、東北の太平洋側に大きな被害をもたらしました。農業への影響も深刻なことから、復興庁・農林水産省の予算を受けて2012年度から食料生産地域再生のための先端技術展開事業を行い、多くの技術的成果を得ました。そこで今年度からは、これらの成果を地域全体に広く普及させる事業として、岩手県、宮城県および福島県と連携して取り組んでいます。
(国)水産研究・教育機構 東北区水産研究所 資源環境部 部長
平成30~32年度に実施「社会実装促進事業(水産)」の実施内容を紹介します。本事業では、東日本大震災の被災地の食料生産地域再生のための先端技術実証および実用化を目指して、平成24年度より実施された事業で開発された諸技術の社会実装を促進することを目的としています。岩手県、宮城県、福島県で展開されている技術を説明し、社会実装に向けた活動を紹介します。
日本の農林水産品の高い品質やブランドを守るために不可欠である「知的財産」について、農林水産省食料産業局知的財産課、種苗メーカーを代表する株式会社サカタのタネ及び弁護士知財ネット(農水法務支援チーム)が、それぞれの取組みを紹介します。
農林水産省からは、シャインマスカットの品種の流出やブランドの模倣等の具体例を交え、種苗法と地理的表示保護制度(いわゆるGI制度)の概要について紹介します。
株式会社サカタのタネからは、種苗業界における知的財産保護の現状と課題について、世界屈指の種子メーカーである株式会社サカタのタネが、企業努力の成果であるF1品種を不正流出から守るために行う具体的な権利保護の態様について、説明します。
弁護士知財ネットからは、日本の農産品が有する高い品質やブランド力等の「付加価値」を種苗法や商標・GI等の知財で守るために取るべき知財戦略、具体的な契約内容、侵害対策等を法律的かつ実務的な観点から紹介します。
【パネラー】
農林水産省 食料産業局 知的財産課 課長
【パネラー】
株式会社サカタのタネ 法務部長
【パネラー】
弁護士知財ネット 事務局長 弁護士
【モデレーター】
弁護士知財ネット 農水法務支援チーム 事務局長 弁護士
青森県 中南地域県民局 地域農林水産部 農業普及振興室 経営・担い手班 主査
りんご剪定は、新規就農者が最も習得に苦労する技術の一つです。
これまでビデオで剪定の基本を記録し指導に使用してきましたが、ビデオは三次元での剪定枝の確認に向いておらず、新規就農者は畑で異なる条件に出会う度に迷ってきました。
そこで、新規就農者がPC上の様々な樹形を剪定するゲームを提案します。また、熟練者がこのゲームを行うことで様々な剪定の記録も短時間で可能になります。さらに、新規就農者と熟練者の剪定後の樹形を比較することもできます。
このプログラムがあれば、りんご剪定技術の継承に多大な貢献ができると考えています。
岩手県 奥州農業改良普及センター(県南広域振興局 農政部 農業改良普及室) 園芸経営チーム 技師
胆江地方のピーマン栽培では、PMMoVが原因のモザイク病対策として、抵抗性品種(L3品種)がほぼ100%導入されています。また、導入当初から県で監視体制を整え、抵抗性打破ウイルスの発生を警戒してきました。近年、この体制の中で相次いで打破系ウイルスの発生が確認されており、その対策が喫緊の課題となっております。しかし、寒冷地に位置する本県では有効とされる対策技術が乏しく、対応に苦慮しております。そこで、既に技術としては確立されている「植物ワクチン」を組み込んだ防除体系の確立へ向け、連携して下さる機関を募集致します。
岩手県 二戸農業改良普及センター(県北広域振興局 農政部 二戸農林振興センター 農業改良普及室) 作物経営体育成チーム 技師
岩手県九戸村の甘茶は、現在日本一の生産量を誇り、海外にも輸出されています。しかし、年間3.5tの生産量に対し、需要が8tを超え供給が追いついていません。
今後、生産拡大を実現するには、葉取り(刈取り後の当年枝から葉を取る作業)の効率化が急務となっておりますが、葉取りは、葉の損傷や葉柄基部の芽の混入がないように1枚ずつ手作業で行うため、最も労力を要する作業であり、収穫時期の遅れによる葉の品質低下が課題となっています。
そこで、葉取り機の導入により、作業効率化を図り、生産量の拡大と品質向上を通じて、生産者の所得向上を目指しています。
茨城県 県西農林事務所 坂東地域農業改良普及センター 専門員
当地域のパン用小麦「ゆめかおり」はタンパク質含有率が13~14%で安定しているため,実需者評価が高く,取引要望が増加しています。この品質を達成するために,現在は普及員が全圃場で出穂期の葉色を測定し,作成した葉色マップを基に生産者が追肥を行っています。
品質を維持しつつ面積拡大を図るため,出穂期の葉色を画像解析し,葉色に応じて可変施肥ができる省力化技術が求められています。
また,品質管理を徹底するため,普及員が全ロットのタンパク質含有率を測定していますが,今後は現場で測定できる簡易な分析機の開発が求められています。
埼玉県 春日部農林振興センター 農業支援部 担当部長
我が国の農業は草との戦いといえます。特に水稲の採種ほでは、雑草種子の混入が合否の重要な要素であり、除草剤で防除しきれない雑草は、真夏の炎天下に手作業で抜き取りを行っています。また、水稲は農薬を削減しやすい作物ですが除草剤だけはかかせないため、完全無農薬の栽培体系がなかなか組み立てられません。
除草ロボットの開発は、生産者を雑草防除から解放するだけでなく、たくさんの消費者に無農薬のお米を供給する推進力となります。そんな「夢」の実現に、連携して取り組んでいただける機関を募集いたします。
千葉県 農林水産部 担い手支援課 専門普及指導室 農業革新支援専門員(主任上席普及指導員)
本県産果樹(なし、かんきつ等)を加工原料として必要とする企業と連携し、企業で仕事が少なくなる時期と、産地に人手が必要な時期を調整し、企業の従業員を援農隊として産地に派遣する代わりに、その労賃相当分の加工原料費を安く提供するような仕組作りです。
それにより、企業と産地が抱える以下の課題を解決し、両者が共に発展する仕組みを一緒に作りませんか?
【企業の問題】
・国産果実原料は高価
・余剰時期等の従業員の有効活用
【産地の問題】
・人手不足から経営拡大が出来ない、経営の縮小・廃園
・加工用原料はあるが、うまく供給出来ない
香川県 農政水産部 農業経営課 主任専門指導員
「健康に家畜を生産し元気な畜産物を供給したい」そんな願いが叶う畜産物の生産供給システムについて提案します。
畜産農家は昼夜を問わず手塩にかけて健康な家畜飼育に努めています。しかし、家畜は気を付けて飼育しても病気になることがあり、その頻度はヒトの7~9倍多いのです。家畜はしゃべれない、環境選択ができない、行動範囲が制限されるなど飼育環境等に特徴があります。これらを緩和して家畜の健康増進を実現し、農家の経営改善と家畜飼育のモチベーションの向上を実現して、元気な畜産物供給の実現を目指します!
農林水産省 農林水産技術会議事務局研究専門官
農林水産省は、我が国の農林水産・食品産業の成長産業化促進に向け、農林水産・食品分野に他分野の知識や技術等を導入して、革新的な研究成果を生み出し、商品化・事業化につなげる産学官連携による新たなオープンイノベーションの仕組み~「知」の集積と活用の場~ を平成28年4月からスタートさせています。「知」の集積と活用の場は、産学官連携協議会・研究開発プラットフォーム・研究コンソーシアムを設け、産学官連携研究の推進を図っています。セミナーでは本取組について紹介します。
三菱ケミカル株式会社 インフラ・アグリマテリアルズ本部 ITファームプロジェクト 統括マネジャー
産学官の連携により日本のコア技術を融合すると共に、IoT・ビックデータ・人工知能(AI)技術等の次世代技術を融合することにより、①時空を超えた生産のスマート化、②生産者と消費者を繋ぐ商品流通の情報化、③安全・安心情報の付加価値化、④最先端技術を加速する情報の集約化を推進します。
また、ICTプラットフォームをベースとする情報流通ネットワークを構築すると共に、施設型第一次産業(ITグリーンハウス、IT養殖、IT畜産等)の技術開発を行い、Society5.0におけるファームコンプレックスの構築を目指します。
国立大学法人 宇都宮大学 農学部 准教授
日本産の良質な果実は非常に高い品質と食味を持っていますが、国際的には知名度が低く、その価値が正当に評価されているとは言えません。本プラットフォームでは、日本産果実の高品質を価値として世界の消費者の方々の正当な評価を得るために必要な、生産から消費に至るまでのトータルな生産流通技術、すなわち高品質生産・流通技術、品質評価技術、品質担保技術、さらに品質の見える化技術を開発することによって、日本産高品質果実の真の価値を積極的にアピールし、そして日本産超高品質果実ブランドと新たな市場の創出を目標としています。
国立大学法人 信州大学 学術研究・産学官連携推進機構 准教授
ナノセルロースを含む世界トップのナノ素材創成技術やナノカーボンでの実用化実績、ナノ・ナノ複合化技術等を基盤として、主に森林資源由来の材料を使用して、軽量、高強度、強靭性を併せ持つ新機能の革新的新素材を創成します。技術と社会双方の面で農工連携の体制を構築することで、新素材を他の分野より先駆けて農林水産分野で早期実用化を進め、農林水産業の革新を実現するとともに、日本独自の循環型社会モデルを形成することを目的とします。本発表では、実施中の研究コンソーシアムや開発中の製品の紹介を行います。
水産研究・教育機構 本部 水産業成長産業化推進室社会連携コーディネーター
水産施策の改革の方針が示され、成長が期待される養殖業の発展に向けて、国の総合戦略のもと競争力がある養殖事業に成長出来る環境整備が急務とされています。
これを解決するため、100を超える当プラットフォームの会員が持つ異分野・異業種の技術を取り入れ、現時点での最適なシステムの設計に挑みたいと考えています。
設立から3年が経過しましたが、会員からの紹介等で多くの新規入会も続いています。
一つの課題にとらわれず、会員から提案があったアイディアを具体化、実現することを大切にしていきたいと考えております。
兵庫県立農林水産技術総合センター 農業技術センター 農産園芸部 酒米試験地 主任研究員
近年、日本酒の輸出量は右肩上がりで増加し、世界中でその良さが認められています。原料米には「山田錦」、「五百万石」が主に使用されていますが、栽培特性や酒造適性の改良が求められています。本プロジェクトでは酒米産地である兵庫県をはじめとする合計5府県18構成員で構成される3チーム(革新的栽培、分析・醸造、輸出促進)において、「山田錦」レベルの酒造適性を持ち、気候変動や病害虫に強い有望系統、品種を現地で実際に栽培・試作を行い、その生産物を用いて酒造メーカーによる試験醸造を実施しています。同時に海外で好まれる日本酒の酒質を特定し、輸出用製品のコンセプトを作成し、製造方法を検討し、輸出向け醸造新製品を開発することで、海外輸出戦略を構築することを目指しています。
山口県農林総合技術センター 農業技術部 園芸作物研究室 室長
ワサビ栽培に耐雪型2重アーチハウスを導入し、施設化による栽培期間の短縮化と生産安定を図るとともに、ワサビ花茎どり技術など高付加価値生産体系を付与することで収益性の高いワサビ生産体系を確立します。さらに、夏秋トマトや夏ホウレンソウと組み合わせた高収益経営モデルを提案します。また、新たなワサビ加工品の開発や香港向けのネット販売等によりワサビの需要を創造します。これにより、国際競争力を高めるとともに、新たな担い手を確保し、産地活性化を図ります。
国立大学法人山梨大学 大学院医工農学総合研究部・教授
モモシンクイガの被害果の検出は、人による目視検査では限界があるため、X線装置を利用した自動検査装置を研究開発し、輸出の拡大を図ります。共選場においては選果機の導入は行われているものの、モモの選果機への投入、選果後の箱詰め、出荷トラックへの搬送は人の手によって行われており、この自動化による人件費軽減が求められています。人件費軽減では、モモのハンドリング装置、モモの箱詰め装置、出荷トラックへ自動運転で箱を搬送する装置を研究開発・導入することで、共選場費用の軽減を図り、産地のモモ生産者の農業所得拡大を目指します。
独立行政法人家畜改良センター 企画調整部技術統括役
養豚場における疾病侵入のリスクは、外部から豚を導入する際が最も高くなるため、高能力種豚流通の妨げとなっています。この問題を解決するため、ガラス化保存胚の非外科移植技術の確立が急務です。本プロジェクトでは、養豚農家で一般の獣医師が胚移植を実施することを想定した簡易な移植方法およびそれを可能にする移植器具を開発し、養豚農家での実証試験で高能力種豚の子豚を生産することに成功しました。これにより、開発技術を用いて生産農家へ低リスク低コストに高能力種豚を導入できることが実証されました。
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 林業工学研究領域・領域長
伐出作業の労働生産性の向上、労働力不足への対応を目的として、集材工程を自動化できるフォワーダの開発を行っています。集材工程を無人化するには、先山と土場をつなぐ作業道上の走行を無人化するだけではなく、土場における荷おろし作業も無人化する必要があるため、試作機の荷台はサイドダンプ可能な構造となっています。自動走行機能には電磁誘導式を採用するとともに、スイッチバック線形を有する作業道にも対応しています。自動走行時の走行速度は、有人走行時の走行速度を時間通りに再生することで調整可能となっています。
国立大学法人東北大学大学院農学研究科 水産資源生態学分野・教授
海外産サーモンとの差別化を図るため、これまで養魚用飼料の原料として殆ど活用されてこなかった米を活用した飼料の造粒技術、摂餌性評価技術等を開発し生産現場での実証試験を行いました。これまでの小麦粉を用いた餌料と同等の成長生残が確認されました。さらに、米中心餌料を用いて生産されたギンザケを、「宮城県産飼料用米を配合した飼料で育てたみやぎサーモン」として県内に販売し好評を得ました。ギンザケ押し寿司等の普及も拡大しており、現在海外展開に取り組んでいます。
パナソニック株式会社 CNS社イノベーションセンターIoTサービス事業統括部 担当課長
一次作業における人手不足、高齢化等の課題解決に向け施設園芸における収穫工程を代替する「トマト収穫ロボット」の社会実装に向け、最新の技術であるAIやロボティックス、IoT、センシング技術等を高度に組み合わせることで機能実現を目指し、実証実験を推進しています。また、WAGRIに代表されるビックデータ分析による農業の高度化に対しても、ロボット側の各種データやセンサー情報を活用できる仕組みを搭載することで、農業へのロボット利活用を加速します。さらにトマトの多品種展開や、他の作物への応用など、広く一次産業全体へのロボット導入を加速すべくAI技術の更なる高度化を推進中です。
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 林業工学研究領域 チーム長
低コストで効率的な原木供給体制を構築するため、ICTやロボット技術を活用したハーベスタ(収穫機械)を開発中です。目標として原木生産と同時に曲がり、強度、密度を判定し、その他の測定項目とともに情報を共有し高度利用することを目指しています。これまで、原木の曲がり、強度、密度の測定装置を個別要素技術として開発してきましたが、今年度ハーベスタ作業機内に実装したプロトタイプが完成する予定です。また、情報共有については北欧の先行技術(StanForD)を積極的に取り込むことで日本の林業全体で利用できる仕組みを模索していきます。
農研機構 生物機能利用研究部門 新産業開拓研究領域・領域長
2000年に日本で成功したカイコの遺伝子組換えにより、カイコで生産された外来タンパク質を用いた化粧品や検査薬が製品化され、緑色蛍光シルクを生産するカイコの農家飼育も始まりました。一本鎖抗体や結合の手を持つシルク、シルクそのものの性質を変えた超極細/高染色性シルクなどの高機能シルクの実用化や医薬品原料の開発が行われています。生産拠点の整備も各地で始まり、大量飼育装置を開発する企業も現れました。“蚕業革命”と名付けられた、遺伝子組換えカイコ研究の進展と実用化への取組についてご紹介します。
大阪大学 工学研究科 生命先端工学専攻・教授
ジャガイモの芽や緑化したイモにはソラニン、チャコニンといった毒物が含まれています。イネ、ムギ、トウモロコシといった主要作物のうち、可食部の毒を気にしながら栽培・輸送・管理をしなければならないのはジャガイモだけです。栄養繁殖性であり、かつ、四倍体であるため、従来育種法では毒なしジャガイモを作出することができませんでした。ゲノム編集技術を用いることにより、現存する品種の他の優良形質を変えることなく、毒のない形質だけを付与することが可能となってきました。社会実装と国民理解に向けた取組についても紹介します。
岩手大学/岩手大学次世代アグリイノベーション研究センター 農学部・教授/センター長
リンゴ小球形潜在ウイルス(ALSV)ベクターは、リンゴ樹から分離された植物ウイルスを基に作出された日本産ウイルスベクターです。ALSVは広い植物種に無病徴感染し、また茎頂分裂組織にも侵入して増殖します。そのため、植物の開花促進遺伝子であるフロリゲン(FT)を発現するALSVベクタ―を感染させると、開花まで5〜10年かかるリンゴ実生を発芽後2カ月で開花させることができます。この技術は、幼若期間の長い花卉類や果樹類の世代時間を大幅に短縮でき、育種の加速化・効率化のツールとして利用できます。
内閣府 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付 プログラムディレクター (北海道大学大学院 農学研究院 教授)
我が国の農林水産業に山積する様々な課題を解決し、収益性の高い魅力ある産業にするために、SIPでは重点目標として「日本型の超省力・高性能なスマート農業モデルの実現」を掲げ、ロボット、IoT、ビッグデータ、AI、そしてゲノム編集技術を駆使して、農業における「Society 5.0」の実現を目指しています。また、もう一つの重点目標として「新素材開発等による農林水産物の高付加価値化」を掲げ、国産の持つおいしさや機能性等の強みを活かした食品や未利用資源から新素材等を生産するなど、高付加価値化戦略を推進しています。SIP「次世代農林水産業創造技術」も最終年を迎え、実用化につながる成果が数多く出てきており、民間企業、農業団体、自治体等との連携を積極的に進めて研究成果の社会実装を加速させています。
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 理事(研究推進担当Ⅰ)
我が国の農業者は、労力が減少する中で、気象変動幅の拡大と資材価格の高騰、多数の広域分散圃場などの問題に対応しながら、国際競争に打ち勝てる生産性と品質の両立に取り組まなければならない状況にあります。
このため、SIPの「高品質・省力化を同時に達成するシステムコンソーシアム(生産システムコンソーシアム)では「情報・通信・制御の連携機能を活用した農作業システムの自動化・知能化による省力・高品質生産技術の開発」を行っており、国際競争力の高い新たな農業生産システムの構築を目指しています。
今回生産システム全体のこれまでに得られた成果と、民間企業等を通じた社会実装の進展状況・見通しなどについて紹介させていただきます。
国立研究開発法人 農研機構 革新工学センター 領域長
複数のロボット農機を運用するマルチロボット作業システム、補助者1名で作業できる自動運転田植機、作物・圃場情報等を的確に判断して作業を行うスマート農機群、そしてこれらのデータを営農管理システムと連動させ農業のSociety5.0を実現するための情報通信技術等、SIP「次世代農林水産業創造技術」「生産システム」で実施中の「農作業自動化・知能化」の技術動向と普及に向けた課題等について概説します。
国立研究開発法人 農研機構 農村工学部門 ユニット長
日々の水管理は水稲作労働時間の2~3割を占めるとされ、担い手農家の経営規模拡大や複雑化する水管理への対応を困難にしています。また、圃場への給水管理を行う土地改良区等の上位の水管理組織にとっては、用水とエネルギーの節約が近年重要な課題となっています。本発表では、以上の課題解決に向け生産システムで開発された、1)ICTを活用し、水田の給水と排水を遠隔・自動制御が可能なシステム、2)配水の過不足を効率的に調整するためのポンプ給水システム、について概説します。
国立研究開発法人 農研機構 野菜花き部門 ユニット長
科学技術と栽培現場、府省・産学官が連携して取り組むプロジェクトSIP「植物工場」では、トマトの栽培特性を遺伝子やその他の生体内分子の挙動を網羅的に解析することによって、ビッグデータとして集積しています。「収量や品質を自在にコントロールする」生産技術を効率的・高精度に開発するため、ビッグデータから各品種の物質生産や品質を決めている鍵となる因子を見出し、トマト各品種に最適な栽培管理条件を効率的に選抜・提示するという世界初の技術を開発しています。プロジェクトも最終年に入り、各品種に適した栽培管理のための支援プログラム(特許出願中)の概要についてご紹介し、共同研究による商品開発・社会実装に向けてのパートナーを募りたいと思います。
国立大学法人筑波大学 生命環境系/つくば機能植物イノベーション研究センター 教授/センター長
我が国の持続的な「食料安全保障」や「強い農業」の実現へ向けて、新しい育種技術であるゲノム編集技術を駆使するとともに既存の育種技術を高度に活用して、有用な農林水産物の開発に取り組んでいます。各種作物のゲノム情報が明らかとなりつつある昨今、ゲノム編集技術は、目的に合った品種を効率的に短期間で育成することを可能とする技術として、世界中で着目されています。高GABAトマトなどゲノム編集技術を用いた新品種および育種素材の開発状況および今後の課題などについてご紹介いたします。
東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻 教授
生活の質(QOL)を高めるためには、抗メタボ機能に加え、脳機能の活性化や身体機能の維持・改善が必要です。このため、農林水産省や食品企業と連携し、これらに効果的な食品機能因子を含む付加価値の高い農林水産物・食品を開発し、これらの有効性を確認するためヒト介入試験を実施して科学的エビデンスを得るよう進めています。また、スポーツ庁と連携した運動・スポーツと食の相乗効果の検証、及び経済産業省や計測器メーカと連携した食品によるQOL改善効果の評価・分析手法の開発に取り組むことにより、農林水産業・食品産業の活性化と、高齢者が健康で活き活きと生活できる社会の実現を目指しています。
国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 新素材研究拠点長
リグニンは植物細胞壁の主成分で、樹木の約3割を占める化合物です。樹木が堅くしっかりとした構造であるのはリグニンが含まれるからで、化学的にも魅力的な物質として知られています。我々は、地域のスギをターゲットとして、工業材料として展開可能新素材「改質リグニン」の開発に成功しました。改質リグニンは加工性に富んだ新素材で、自動車用部材、電子基板、3Dプリンター用フィラメント等の様々な高付加価値製品が開発されました。ここでは、改質リグニンを用いる新たな産業の姿について紹介します。
国立大学法人信州大学 カーボン科学研究所 特任教授
国産針葉樹より調製したナノセルロース(NC)をゴム複合体の補強材とし活用するため、弾性混練法によりNCのナノレベルでの解繊法を確立した。補強メカニズム解明のため原子間力顕微鏡によるNC・ゴム分子間密着力の評価法にて検証した。本成果を利用した製品化に向けた設計、開発を開始し、従来比2~3倍の耐久性を有するゴム複合材の試作に成功した。更に、従来品補強材に比べ軽量かつゴム材の着色が自由である。国内産針葉樹の植物由来の工業材料に活用し、環境型社会と森林保護に貢献する。
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 木材加工・特性研究領域木材乾燥研究室 室長
木材に焙じる程度の炭化を施すことで、長寿命で歩きやすく燃料等へリサイクルできる高性能な木質舗装材を開発しました。
公園や遊歩道などで木材チップ舗装を見かけますが、チップの剥離や腐朽で舗装が長持ちしない課題があります。そこで木材に250℃前後の低温炭化処理(半炭化処理)をすることで耐久性を付与させ、耐用年数20年を見込める木質舗装材の製造に成功しました。本開発品はアスファルト舗装材に比べて歩きやすく、使用後は燃料や資材にリサイクル可能なことから、人や環境に優しい土木材料として期待できます。
国立研究開発法人農研機構中央農業研究センター 土壌肥料研究領域・上級研究員
バレイショ栽培では深刻な病害のそうか病の抑制のため適切な土壌酸度を保つ必要がありますが、土壌酸度の指標の「交換酸度y1」測定に時間と労力を要することが問題となっています。本課題ではy1に替えて、簡易に測定できる「pH(KCl)」を指標に土壌酸度管理を行うため、pH(KCl)測定法を徹底的に簡略化し農家が自ら圃場で即時測定できるまでにしました。またpH(KCl)と発病に関するデータを集積し、pH(KCl)基準値など酸度管理指針を提示してマニュアルにまとめました。これらの技術と現場導入の取り組みについて紹介します。
農研機構 野菜花き研究部門 企画管理部企画連携室 室長
ダイコンはわが国の最重要野菜の一つであり、国内生産物の約6割が加工・業務用として使用されています。一部の大根加工品では加工時や保存時に発生する特有の臭いや黄変が問題となっています。このため、食品業界から消費者の嗜好性や実需者ニーズに合致した『大根臭や黄変が発生せず、フレッシュ感が持続する加工品』を製造可能なダイコン品種の開発が求められていました。本講演では、新たに開発した臭いや黄変の元となる成分グルコラファサチンを含まない画期的な品種「悠白」と「サラホワイト」の特性とその加工利用法について紹介します。
農研機構 北海道農業研究センター 作物開発研究領域・上級研究員
北海道の草地は、草地更新の遅れなどにより、栄養価が劣る地下茎型イネ科雑草が蔓延しマメ科牧草が消失するなど、草地植生の悪化が生産性と品質の低下をもたらしています。草地植生の改善により自給粗飼料の生産性および品質を向上させることを目的に、マメ科牧草との混播適性に優れ多収なチモシー極早生品種「北見33号」および土壌凍結地帯に適した越冬性に優れるイネ科牧草フェストロリウム品種「ノースフェスト」を育成し、マメ科牧草のガレガでは安定栽培のために地域別の草地管理ポイントを明らかにしました。
農研機構 中央農業研究センター 企画部産学連携室産学連携チーム・チーム長
イネ縞葉枯病はヒメトビウンカよって媒介されるイネ縞葉枯ウイルスが原因となるイネの重要病害です。本病を防除するためには、農薬による媒介虫防除、抵抗性品種の利用、圃場管理などを組み合わせて行うことが重要です。ここでは、イネ縞葉枯病の総合防除の核となる技術オプションやそれらの技術を地域の特徴に応じてアレンジするための最新の研究成果等を取りまとめた「イネ縞葉枯病の総合防除マニュアル」について紹介します。
イネ縞葉枯病の総合防除マニュアル:
https://ml-wiki.sys.affrc.go.jp/rsv_web/manual/start
農研機構 果樹茶業研究部門・上級研究員
世界のカンキツ産業を脅かすカンキツグリーニング病について、国内の発生地における本病害の根絶やフリーエリア拡大を加速するための遺伝子検査法や媒介虫防除技術の高度化に成功しました。これまでにはない斬新な遺伝子検査法や害虫防除法を開発しており、グリーニング病を含む様々な農作物の病害の検査や害虫の防除に利用できると考えています。
農研機構 果樹茶業研究部門ブドウ・カキ研究領域・ユニット長
海外のキウイフルーツ産地で問題となっているかいよう病菌Psa3系統が、2014年に国内で初めて確認されて以来、国内のキウイフルーツ生産に不安を与え続けています。これに対して海外での対策技術等に基づいた暫定的な対策技術がすでに取りまとめられていますが、より国内での実情に合った対策技術が求められていました。ここでは国内の実情に合わせた対策技術の開発を行い、「Psa3系統によるキウイフルーツかいよう病に対する防除対策技術」として取りまとめ生産者等に情報提供しましたので、その内容について紹介します。
一般社団法人日本くん蒸技術協会 技術顧問
本課題のうち、穀物類に対する新たなくん蒸技術について発表します。現行法は、穀物中への薬剤残渣混入、コスト高などで利用されていません。そこで、サイロ上部に一定の空間を設け、袋入り粉剤を吊してリン化水素を発生させ、1日1回1時間の循環で濃度を均一化してくん蒸します。くん蒸後は薬剤残渣を残渣処理機等で安全に処理する一連の“空間部投薬循環法”を開発しました。本法は、耐性のコクゾウムシ蛹を除く穀類害虫に有効、かつ利便性が高く(5倍以上)低コスト(40%以上カット)で、検疫及び一般のくん蒸に適用が可能です。
日本製粉株式会社 フードリサーチセンター長
日本で登録品種の栽培実績がなかったデュラム小麦、新品種セトデュールを実用化するため、安定供給可能な栽培法、並びに、セトデュールの特徴を活かした純国産パスタ製品の開発に取組みました。施肥方法、赤かび病防除、穂発芽低減策などの栽培知見は、栽培マニュアルにまとめました。輸入小麦との違いを調整し、製粉工場でのセモリナ粉の生産、パスタ工場での乾燥スパゲッティの製造が可能となりました。パスタ製品は、生産法人の6次産業化、更に、日本製粉・オーマイブランドの家庭用市販品「瀬戸内生まれのスパゲッティ」として販売するに至りました。
東京大学 大学院農学生命科学研究科・教授
農耕地は温室効果・オゾン層破壊ガスである一酸化二窒素(N2O)の大きな発生源であり、削減が急務です。我々は、微生物と土壌動物の働きにより土壌からのN2O発生を半減でき、普通野菜や牧草の収量を10%以上増やせる資材を開発しました。また、ダイズ畑からのN2O発生をほぼ半減でき、ダイズ収量を約10%増やせる新規ダイズ用接種資材を作製しました。今後、資材の有効性の普及、製造・販売方法の確立、J-Credit登録、ブランド化を進めて日本全国に普及させ、経済効果と環境調和型の農産物提供に貢献します。
北海道立総合研究機構稚内水産試験場 調査研究部 主査(栽培技術)
底びき網漁業者の知的財産(ノウハウ)である操業情報と水揚げ物の販売情報などを組み合わせて、資源管理と経済的な漁場選択の情報を漁業者へフィードバックし、意思決定を支援する底魚資源管理支援システムと、操業情報の一部を活用して市場業務を効率化する電子魚市場を開発しました。実証試験を通じて、底魚資源管理支援システムが稚内機船漁業協同組合の底びき網漁業者よる自主的なホッケ資源管理に貢献しましたので、その事例も紹介します。
農研機構 次世代作物開発研究センター 稲研究領域・上級研究員
米を原料とする全粒粉を用いた加工品の高付加価値化のために、新たに開発した栄養、機能性成分の含量を玄米全粒粉よりも高めることが可能な処理に向き、原料米の低コスト生産を可能とする多収品種を選定しました。生産者による栽培への展開を図るとともに、これら有用成分の摂取源となる全粒粉の利用割合の高い米加工品用原料粉を生産する体系を構築するための取り組みについて説明いたします。
食×Techは、食の未来を多様に変える。
3Dフードプリンターやロボティクスなど、調理・食の製造を代替するシステムが出現する中、農業部門を含む食の未来のエコシステム構築に向けて、官民は何に取り組むべきなのか、官民一体の政策立案部門であるOpenLab(※)における検討過程を発表します。
※ 本年4月、業務時間の1~2割を活用して部局や政策の枠を超えて政策提言を行う農林水産省政策OpenLabが発足。FoodTechチームでは、3Dフードプリンターやロボティクスが農林水産業・食産業に与える可能性の調査・政策提言活動を展開中。
農林水産省経営局就農・女性課女性活躍推進室 室長
女性農業者の存在感を高め、農業のイメージを刷新することを目的に2013年にスタートした農業女子プロジェクト。
農業関連企業はもちろん、農業と一見関係のない下着・住宅メーカーまで、幅広い業界の民間企業36社と連携し、女性農業者ならではのアイデアを企業の技術・ノウハウと結びつけ、新しい市場・価値を生み出しています。最近では、教育機関とも連携し、未来の農業女子を育成する取組みも始めました。
プロジェクト概要紹介のほか、プロジェクト参画企業及び教育機関から、農業女子プロジェクトに参加したことによる成果や農業女子メンバーとの連携等取組のポイントを発表・質疑応答を行います。