抗アレルギー効果が実証されたチシャトウ
アレルギー疾患モデルに対するチシャトウの作用に関する基礎的研究
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・准教授・杉本幸雄
チシャトウはチシャ類(レタス、サラダナ)の一種であり、古くから中国を中心に栽培されている食材である。本研究ではアレルギー性鼻炎疾患モデルマウスを用いて、チシャトウのアレルギー性疾患緩和食材としての有用性について検討した。最初に、卵白アルブミンを抗原として全身感作した BALB/c 系雌性マウスに抗原溶液の鼻腔内投与による局所感作を繰り返すことにより、アレルギー性鼻炎モデルマウスを作製した。実験はチシャトウ1%含有飼料摂取群と標準飼料摂取群に分け、抗原溶液の鼻腔内投与により誘発されるくしゃみ反応および鼻掻き行動を20分間測定することにより評価した。また、受身皮膚アナフィラキシー反応により抗原特異的 IgE 抗体価を測定した。その結果、チシャトウ含有飼料摂取群においてアレルギー鼻炎症状は有意に抑制された。また、チシャトウ含有飼料摂取群において抗原特異的 IgE 抗体価の上昇は有意に抑制された。結論として、チシャトウは抗原特異的 IgE 抗体の産生を抑制することにより、アレルギー性鼻炎症状を軽減することが示唆された。