アグリビジネス創出フェア2004
2004.10.14ステージB
B-15
15:15〜15:30
在来種を用いた環境保全・環境修復に役立つ新しい植物の開発

所属 宇都宮大学
発表者 倉持 仁志
【キーワード】
在来野生植物/品種改良/環境保全/被覆植物

【内容】

 生物多様性の観点から、環境保全には在来種を用いることが重要と考え、在来種の品種改良と有用種の選抜を行ってきた。今回はこれまでに開発した環境保全に役立つ新しい被覆植物の幾つかを以下に紹介する。
1.新規被覆植物としてのイワダレソウ改良種(商品名:Sリーフ)の開発
緻密性に優れる与那国島産のイワダレソウと増殖性に優れる沖縄島喜屋武岬産のものとの交配により得られた種で、本年度新品種として農水省に登録された(品種登録の番号:第12041号)。本品種は増殖性が極めて高いこと(コウライシバの約6〜10倍)、草丈が3cm未満と低いため刈り取り作業が殆ど必要ないこと、緻密性に優れるため土壌流出抑止効果が高いこと等の特徴を有する。
2.イワダレソウ改良種のさらなる改良
イワダレソウ改良種をさらに改良したもので、耐寒性がより優れ、花も大きく、園芸種としても使える。種子は殆どつけない。花色は白とピンクの2種。
3.世界で最も耐塩性の高い日本芝(商品名:ひゆう)の開発
沖縄島残波岬産のコウライシバの変異株の実生から選抜されたもので、耐塩性が極めて高い。通常のコウライシバに比べ、草丈も低い。
4.矮性日本芝(商品名:むさし)の開発
上記3.の耐塩性日本芝と与那国島産コウライシバの交配により得られた種で、草丈が極めて低く、刈り取り作業が殆ど必要ない。
5.カヤツリグサ科のユニークな被覆植物、アオスゲ変異株(商品名:ドラゴングラス)の開発
山梨県下で見出したアオスゲ変異株の実生より選抜した種で、日本芝と同様耐踏性に優れ、半日陰でも生育が可能である。耐寒性にも優れ、宇都宮でも冬季半常緑で推移する。

今回紹介した植物は既に販路も決まっているが、これらのものから新しい品種の作出は可能である。また、イワダレソウは中国では漢方薬として、東南アジアではお茶として用いられていることより、機能性食品としての開発も今後進めていきたい。
特許等知的財産関連の状況 取得済み/申請検討中
研究開発の段階 事業化研究
その他アピール点 在来野生植物の有用性を理解して頂きたい。
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