アグリビジネス創出フェア2004
2004.10.14ステージA
A-11
14:15〜14:30
高圧誘導乳清タンパク質ゲルによる新規食材の開発

所属 宇都宮大学
発表者 東 徳洋
【キーワード】
ホエー蛋白質ゲル/高圧処理/食材

【内容】

高圧下では、蛋白質の疎水結合やイオン結合が切断の方向に向うのに対して、水素結合は形成の方向に向う。これらの非共有結合が水との相互作用のもとに生成や破壊を起こし、その結果わずかな容積の減少を伴うだけで、蛋白質は変性、遂にはゲル化する。加熱処理によっても蛋白質をゲル化することはできるが、高圧処理ではメイラード反応が生じることはなく、加熱臭の発生は抑えることができる。また、糖、ビタミンや色素等が変化・破壊されることもなく、成分の劣化、栄養素の破壊、毒性因子の生成も伴わない。
ここではチーズの副産物であるチーズホエーを利用すべく、そのモデルとしてWPI(ホエー蛋白質単利物)を用い、数千気圧の高圧下で形成されるホエー蛋白質ゲルのレオロジー特性および形成ゲルの微細構造に及ぼすこれらの環境因子の影響を調べ、pHやイオン強度、補助溶剤等の条件を設定することにより、新たな食品や食品素材に求められる性質を備えたゲルを自在に作成できる可能性を示した。
高圧処理による硬さや保水力の異なるゲルは、ゼリー状食品、かまぼこ状製品、肉製品の副原料等、多用途利用を図ることができる。実用化に向けて共同開発を行いたい。
特許等知的財産関連の状況
研究開発の段階 基礎研究
その他アピール点 アミノ酸バランスのいい食材なので、ぜひ実用化に向けた共同開発を行いたい
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