アグリビジネス創出フェア2004
2004.10.14ステージA
A-7
13:00〜13:15
囲い養殖による無毒トラフグの生産と肝の利用

所属 長崎大学 水産学部
発表者 荒川 修
【キーワード】
囲い養殖/フグ肝/水産業/食品加工業

【内容】

フグの肝(きも)は大変美味で、かつては「秘伝の毒抜き」を施したうえ、多くの食通が好んで食していた。しかしながらこれによる中毒も後を絶たず、厚生省(現厚生労働省)は、1983年にその食用を全面的に禁止した。一方、演者らは最近、複数の業者との共同研究として、日本の主要なフグ養殖地から囲い養殖(網生け簀養殖もしくは陸上養殖)されたトラフグ計約5,000個体を集め、主に肝臓の毒性を調査した。その結果、いずれの個体からも毒性は検出されず、「フグの毒化は食物連鎖、すなわち底生性の有毒餌生物に由来するもので、これを遮断して飼育する囲い養殖では、無毒のフグが生産される」ことを実証した。この成果に基づき、佐賀県と嬉野町は、本年6月、内閣官房構造改革特区推進室に「佐賀・嬉野温泉フグ肝特区」構想を提案した。現時点で、厚生労働省は規制解除を認めていないが、今後、限定的であってもフグ肝の食用が解禁されれば、養殖フグの価値が高まり、地域水産業の活性化に大きく貢献するばかりでなく、高度不飽和脂肪酸(EPAやDHA)などを多量に含み、美味でかつ栄養豊富なフグ肝を原料とする新たな食品加工業などを創出することが可能であろう。
特許等知的財産関連の状況 取得済み
研究開発の段階 事業化研究
その他アピール点 フグ肝食用解禁への賛同と流通段階の安全確保に関する意見、情報提供等
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